最新の記事
医療機器開発は外資系企業が多く、日系企業は少ない傾向にあるため案件を見つけにくいです。そこでフリーエンジニアは、医療機器ソフトウェアに限らず医療全般に視野を広げた案件探しが得策といえます。
診療予約システム開発は多くの病院が抱える課題解決に期待される分野で、待ち時間の短縮と同時に医療事務従事者の負担を軽減するものでもあります。医療現場の実情をよく理解したシステムが求められることになるでしょう。
東芝、松下など、大手家電メーカーを始めとし、あらゆる業種の企業が医療機器開発へ参入しています。医療知識に限定せず、ITスキルと発想力に長けるエンジニアの需要はますます増えることが期待できます。
日本の医療業界は現在、かつてない少子高齢化によち医療費高騰や医師不足などの難題を抱えています。そうした難題を「IT化」によって解決し、積極的に医療の再生を行なおうという動きがあります。医療業界といえば、常に最新の医療技術に支えられているのでIT化も進んでいるように見えますが、実はまだまだ遅れているのです。まずひとつには患者の個人情報やプライバシーを守るためのセキュリティの問題があります。他にも、ネットワーク化していく検査機器や電子カルテをどのように組み合わせるかなど課題がたくさんあります。しかし人手不足が深刻な医師や看護師、検査技師がそれらを解決するために考えることはできません。現場で目の前の患者を救うことが彼らの仕事だからです。そんな中IT化するためには、医療業務を理解し、医師や看護師と話ができ、さらにITのことを理解しているエンジニアとも調整できる人材が求められているのです。医療・介護が抱える社会問題をニュースで目にする機会も増えましたが、それらを解消する第一歩としてIT化が考えられています。
現在の日本医療のIT化は第3世代にあります。1960年代後半にスタートされた第1世代では「部門システム」が導入されました。病院での医事会計における手続きを自動的に計算できるシステムが開発されました。また検査結果の情報を患者ごとに集計するシステムも生まれました。「オーダエントリシステム」が導入された第2世代では、病院業務をコンピュータで行うようになりました。病院内にLAN回線、サーバやホストコンピュータを設置したことで80年~90年代にかけて効率化が大病院を中心に広がりました。医師から検査部、放射線部など各施設への検査の依頼やフィードバックなど病院内での業務伝達手段がIT化され、現在では600床以上の大病院で8割以上が導入しているといわれています。そして今積極的に導入を進めているのが「カルテの電子化」です。1995年に初めて電子カルテが導入されてから大病院の約4割が導入済みです。診察を受けるときPCに映し出されたカルテに医者が情報を入力したり、検査画像を開きながら説明を受けたことがある人もいると思います。電子カルテはほぼ常識化してきています。
今後、IT化の第4世代となる「地域医療情報システムの構築」、第5世代となる「生涯カルテの作成」が進められる予定です。地域医療に関しては、中核病院にサーバを設置して地域内の患者の医療情報データを蓄積することで地域単位でシステム化していきます。他の地域にある専門病院や診療所とは回線によってつなげ、データが共有できるようになるとされています。生涯カルテに関しては、患者の医療情報を一元的に管理し質の高い医療提供や医療ケアが可能になります。その他にも医療過疎地域の患者に都市部の医療施設がネットを介して医療を行う「遠隔医療」なども考えられています。このようなIT化によって山積みな問題をクリアしていこうとしています。
今後ITエンジニアが関わりうるものは導入が遅れている病院への電子カルテ化事業、医療情報システム構築などがあげられます。そのためクラウドやASPに精通したIT技術者の力が必要になります。医療IT技術者には基礎的な医学・医療の知識、医療情報システムについての全般的な知識が求められます。学習方法としては日本医療情報学会の講習会や教科書で学習し、医療情報技師の基礎知識検定試験や医療情報技師能力検定試験を受験するのが有効です。現在「医療情報技師」の有資格者は8000人以上おり、医療ITメーカーにもこの資格をもった技師が多くいます。今後、この方たちの存在もますます重要になってくるはずです。フリーエンジニアとしてもこれからのキャリアパスにおける選択肢として有力な候補となるでしょう。
現在の医療では、医師の腕や知識、熟練度によって、患者が受ける医療レベルに差が出てしまうのが実情です。しかし、医療機器開発の進歩によって、従来ごく一部の神がかり的な技術を持つ医師にしかできないとされた繊細な手術を他の医師でもできるような機械ができるなど、医療現場全体が大きな発展を遂げようとしています。今後はロボット工業や人工知能なども医療現場に投入されることになるでしょう。
短時間で膨大な画像の処理を可能とするCell/B.E.を医療分野におけるCT、MRIなどの画像処理に応用することにより、医療機器の高性能化を実現するプロジェクトの概要と、実際に参加したフリーエンジニアの体験談を紹介します。高水準での品質確保と、さらなる品質向上に向けてエンジニアたちの徹底したこだわりと苦労が垣間見える、興味深い体験談です。
医療現場が抱える課題解決と医療の再生には、ITの力が不可欠となっています。IT技術に寄せられる期待値は無限であり、エンジニア冥利に尽きる仕事ができる分野ともいえるでしょう。医療分野のIT化促進において活躍が期待される、医療情報技師の価値にも注目が集まっています。現在有資格者は8,000人以上ですが今後ますます増えてくることが予想されます。